天氣後報 -2ページ目

天氣後報

東京の隅っこにある小さなカフェ周辺の人・事・モノ

魚眼石というと、水晶に似た、水晶よりもキラキラしたもの。

あるいは緑色のものを思い浮かべることが多いと思いますが、今回入荷した魚眼石はなんと櫻色。



桜色魚眼石/きらら舎


櫻色の原因は、赤色の毛状の鉱物のインクルージョンです。

鉱物は不明です。



桜色魚眼石/きらら舎


直径2×高さ3cm(壜部分)の小さな標本壜に入れてお届けします。



個別指定は上の集合写真、左から


A


桜色魚眼石/きらら舎



B


桜色魚眼石/きらら舎



C


桜色魚眼石/きらら舎



D


桜色魚眼石/きらら舎



また、今週末12月21日のカフェでは王冠をつけたちいさなボトル入にて販売します。



桜色魚眼石/きらら舎


AからDの標本は魚眼石の群晶で、小さな結晶が集まってキラキラしています。


クラウンボトルのほうは、群晶をほどいた小さな群晶、または単結晶をいくつか詰めたものです。


ラベルにはApophylliteとのみ記載していますが、正確にはApophyllite-(KF)。和名は弗素魚眼石。
産地もIndiaとだけ掲載していますが、詳しくは
Maharashtra, Aurangabad, Chikhalthara,India
です。

アクアマリン単結晶




A ナミビア産


アクアマリン/きらら舎


アクアマリン/きらら舎


アクアマリン/きらら舎

きれいな六角柱状結晶です。

鉄電気石を伴っています。




B パキスタン産


アクアマリン/きらら舎


アクアマリン/きらら舎


アクアマリン/きらら舎


六角柱状の結晶が縦に欠けている感じの結晶。

裏面は残念ですが、表面を飾ると結構大きくてきれいです。



C パキスタン産


アクアマリン/きらら舎


アクアマリン/きらら舎


アクアマリン/きらら舎

こちらもそこそこに、きれいな六角柱状結晶。

色もきれいです。



D ナミビア産


アクアマリン/きらら舎


アクアマリン/きらら舎

ちょっとへなちょこでちっこいですが、それでも六角柱状結晶です。

黒いのは鉄電気石。



E ナミビア産


アクアマリン/きらら舎


アクアマリン/きらら舎


アクアマリン/きらら舎

透明度はやや劣りますが、青色が濃い結晶です。

六角柱状結晶。

黒いのは鉄電気石(Schorl)。



F ナミビア産


アクアマリン/きらら舎


アクアマリン/きらら舎


アクアマリン/きらら舎

六角柱状結晶。

色も濃くてきれいです。



G ナミビア産


アクアマリン/きらら舎


アクアマリン/きらら舎


アクアマリン/きらら舎

六角柱状結晶。

結晶の角もきれいです。



アクアマリン/きらら舎

すべて、白い葉っぱ繊維と透明ラベルを添えて、小さな標本壜に入れてお届けします。

産地はナミビア産は


Erongo Mt,

Omaruru-Usakoe,

Namibia



パキスタン産は


Nagar, Hunza valley

Northern Areas, Pakistan

ですが、書ききれなかったので国名のみ記載しています。

先日アップした縞々蛍石はとっておきなものでしたが、

何か加工してみようかなと思って保管していた縞々くん・・・・・そんな時間はなさそうなので販売しちゃうことにしました。


先日のA、Bに続いてのCからGの5つです。



C


アルゼンチン産螢石/きらら舎


アルゼンチン産螢石/きらら舎


アルゼンチン産螢石/きらら舎



D


アルゼンチン産螢石/きらら舎


アルゼンチン産螢石/きらら舎



E


アルゼンチン産螢石/きらら舎



アルゼンチン産螢石/きらら舎



F


アルゼンチン産螢石/きらら舎


アルゼンチン産螢石/きらら舎




G


アルゼンチン産螢石/きらら舎


アルゼンチン産螢石/きらら舎






昨日の月光カフェではビスマスのワークショップを行いました。


ワークショップといってもビスマスの話をしながら、生成されるのを見て、できたものをもらえるというものなのですが。



ビスマス/きらら舎

一般に「ビスマス」というと、虹色に輝く人工結晶をイメージする方のほうが多いと思います。

実際にミネラルショーや鉱物店で売られている「ビスマス」はドイツ製の人工結晶が大半を占めます。

しかし、天然のビスマスもちゃんと存在します。
ビスマス(Bismuth)は和名では「蒼鉛」と呼ばれます。

鉛という文字を含みますが鉛の化合物ではなく鉛よりも重い元素(Bi)です。

これより重いものはウランとトリウムしかありません。

天然のビスマスは人工のもののように虹色でもなく、骸晶でもありません。

Bismuthという名前はドイツ語で「白い物質」という意味の言葉に由来しているそうです。

ドイツ語で白い物質は「Weisse Substanz」です。これからどうやって Bismuth になったのか、やや不思議
ではあります。

また、ドイツ人が「白」と言ったものを日本人が「蒼」と名づけたのも興味深いところです。

天然で採れるビスマスはそのままの「蒼鉛(自然蒼鉛)」のほかに、硫黄と化合した「輝蒼鉛鉱」や酸化した「蒼鉛土(ビスマイト)」などがあります。


ビスマスは整腸剤の原料として、日本薬局方に収載されています。

元素周期表をみると、同じ窒素族の元素には化合物に毒物が多く、また、ビスマスの後、元素番号84からは放射性元素が並んでいます。そんな位置に存在するビスマスが薬というのも、文系人間には面白く感じます。


ビスマスの融点は271.3度です。

金属としては低いのですが、天ぷらを揚げる温度が、高くても180~190度程度ですので、はやり高い。

家で個人的にビスマスを生成する際には台所でお鍋でぐつぐつさせますが、誤って水滴が鍋に飛んだ時には火山口から溶岩が飛び散るみたいなことが起こり、そしてとんだ先にあった紙は燃え、ビニールは融けたりしました。

それで、カフェではビスマス生成の専任の方にお願いしています。


昨日のワークショップでは、きれいな結晶が生成できたのですが、時には、へなちょこ結晶しかできないこともあります。

そこで、予め、選んで差し替えてもOKなような結晶を用意しています。


昨日、そんなわけで予備に用意してあった結晶を、ワークショップに参加できなかった方のために、ギフトセットに仕立てました。



ビスマス/きらら舎


A
ビスマス/きらら舎


ビスマス/きらら舎


B


ビスマス/きらら舎


ビスマス/きらら舎



C


ビスマス/きらら舎


ビスマス/きらら舎



D


ビスマス/きらら舎


ビスマス/きらら舎



E


ビスマス/きらら舎


ビスマス/きらら舎



F


ビスマス/きらら舎


ビスマス/きらら舎



G


ビスマス/きらら舎


ビスマス/きらら舎



H


ビスマス/きらら舎


ビスマス/きらら舎


I


ビスマス/きらら舎


ビスマス/きらら舎



J


ビスマス/きらら舎

ビスマス/きらら舎


ここまでは、4cm角のオリジナル箱に入れて、栞を添えました。



K


ビスマス/きらら舎


ビスマス/きらら舎



L


ビスマス/きらら舎


ビスマス/きらら舎



M


ビスマス/きらら舎


ビスマス/きらら舎

ここまでの、K、L、Mは4×4×高さ2cmの紙箱に入れて、栞を添えました。


それから



ビスマス/きらら舎

気軽なプレゼント用に、3cm角の小さな紙箱に小さな結晶を1つか2つ入れました。

栞は箱には入らないのですが、添えて袋に入れて、お届けします。


21日のカフェはノエルフェア。

きらら舎で販売分もギフト仕立てにしていきたいと思います。


先日ブログにもアップした謎のモロッコの硝子。

vidro na terra じゃないか」というメールをいただきました。

まずはその意味を調べてみると「磨りガラス」という結果となりました。

さらにポルトガル語→英語で調べると「the ground glass」または「Glass on Earth」となりました。


この名前はどこかで聞いたことがあるぞ、と思い、そんな話をした記憶がある鉱物業者さんにたずねてみると、ブラジルで大量投棄された人工のガラスが時を経て、採掘されたものであるということでした。

ネットで画像検索してみると、結構似ています。


最初にメールで教えてくださった方も、「モロッコもガラスが有名ですし・・・・」と書かれていたように、たしかに「モロッコガラス」と呼ばれるものがあるくらい、モロッコではガラス製造が盛んです。

ブラジルの場合はストライキなどが背景にあったようですが、ガラスを作っている場合はどうしても廃棄せざるを得ないものが出てくるでしょうし、時々窯の清掃だったするでしょうし・・・・・


そんなものなのかもしれません。


天然にガラスが存在するには、まずは石英などが融けることが必要です。

原因は火山だったり、隕石の落下だったり、雷だったりします。

しかし、それならば、もっと流通しているはずなのです。


恐らく、人工のガラスが投棄されて、何年も時間が経過した後に採掘された・・・・・というのが正しい答えのような気がしてきました。

現在はモロッコで、いろいろな色のガラスが製造されていますが、昔はどんな色がポピュラーだったのか、ちょっとモロッコガラスの歴史を調べてみることにします。


その前に。

グランドグラス(人工のガラスが長い間土に埋もれていたもの)だとしたら、やっぱり、1000度くらいでは融けなくてはなりません。

先日は、黒くなって臭かったので途中でやめてしまったのですが、再度電気炉に入れてみることにしました。


ついでに、同じグランドグラスであるローマングラスも一緒に入れてみました。



モロッコのガラスの実験

右は先日途中で加熱をやめたモロッコの硝子。

左はローマングラス。



モロッコのガラスの実験


900度まで加熱しました。



モロッコのガラスの実験

そしたら、こんなになりました。


実物はカフェのモロッコの硝子と一緒に展示しておきます。