年末ぎりぎりですが、新しいポストカードができました。
今回、蛍光鉱物ワークショップの鉱物標本写真を使ってみました。
蛍光の色、特に青色がWEBと印刷では彩度が全く異なるのでやや残念なのですが、
とりあえず、今後も蛍光鉱物ワークショップ(蛍光鉱物観察会と名前を変えました)で
観察できるものを掲載しました。
ルーチカ図鑑と同様、昔の博物学図鑑っぽくしてみました。
Fig1
通称、沙漠の薔薇と呼ばれる標本です。
沙漠の薔薇とは鉱物の名前ではなく、その形状に由来する名前です。
沙漠のオアシス(水があった場所)が干上がって、そこのミネラル分が結晶化して鉱物となったものです。
鉱物としては石膏や重晶石が多く、サハラ砂漠やメキシコで多く採集されます。
しかし、この標本はカナダのものです。
Manitoba, Red River Floodway ,Canada
この産地のものは結晶がボール状に集合しています。
石膏ですが、透明度がすぐれている場合は透石膏(Selenite)と呼ばれる亜種名が使われることが多いようで、この産地のボール状石膏はセレナイトボールと呼ばれることもあります。
また、以前、沙漠の薔薇の花びらとして、この鉱物の欠片を販売したのですが、あれも蛍光しますので、お持ちの方はお試しください。
Fig2
岩塩です。通常はただの透明な四角い結晶です。
産地は
Wieliczka, Poland
ポーランド産の岩塩は青いものも多く産出されます。
短波で真っ赤に蛍光します。
Fig3
コールマン石(Colemanite)
Boron Open Pit Mine,
Kramer Borate,
deposit
Boron, Kerns Country, California, U.S.A.
コールマン石は硼酸塩鉱物で、アメリカの硼素産業における鉱石のひとつです。
コールマン石という名前は、カリフォルニアの硼素産業の実業家、ウィリアム・コールマンに因みます。
硼砂やウレックス石が雨水に溶けて堆積層中に浸透し、再結晶してコールマン石が生まれます。
ルーチカ図鑑の硼酸塩鉱物用にいくつか確保してあるものの、とげとげしたきれいな結晶のものや今回のような、ただのすべすべした石でしかない標本など、いろいろなものがあります。
とげとげした標本は次回の蛍光鉱物ワークショップ用に、写真などの撮影はしないまま保管していて
今回のものは欠片をミニチュア試験管入標本にしたりするために撮影したので
(横着をして)ポストカードには今回の標本を採用することにしました。
Fig4
エスパー石/Esperite
Franklin,Sussex Co,New Jersey,USA
蛍光鉱物のメッカというか総本山というか、そんなフランクリン鉱山でも筆頭の鉱物です。
地質学者エスパー・S・ラーセンJr.に因みます。地味な鉱物なのですが短波のブラックライトで洞窟の中のヒカリゴケのように鮮やかに蛍光します。
Fig5
ハックマン石/Hackmanite
Mont St Hilaire, Quebee, Canada
ハックマン石については過去のブログ記事をご参照ください。
http://ameblo.jp/sayanet/entry-10920982269.html
Fig6
透石膏
砂時計構造の透石膏です。
詳細は過去のブログをご参照ください。
http://ameblo.jp/sayanet/entry-11388959728.html
次回の蛍光鉱物観察会は2014年1月18日を予定しています。